Chizu Solo Theater Official Blog

ずっとお城で暮らしてる

photographer 星野道夫

 道夫さんの言葉と写真

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『ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間

もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。

日々の暮らしの中で、

心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。』

 

『何も生み出すことのない、

ただ流れてゆく時を、大切にしたい。

あわただしい、

人間の日々の営みと並行して、

もうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。』

 

『生きる者と死す者。有機物と無機物。その境とは一体どこにあるのだろう。目の前のスープをすすれば、極北の森に生きたムースの身体は、ゆっくりと僕の中にしみこんでゆく。その時、僕はムースになる。そして、ムースは人になる。』

 

『マイナス五○度の寒気の中、チュルチュルとさえずりながら、一羽のコガラが目の前を飛び抜けた時の驚きを鮮烈に覚えている。あらゆるものが凍りついた世界で、なぜさえずることができるのだろう。十センチほどの小さな身体の中で、どうやって生命の灯を燃やし続けることができるのだろう。』

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真冬のツーンと凍った空気を嗅ぐと、

ふと、

いつも脳裏に浮かぶ写真家、星野道夫さん。

 

冬の夜に暖かい居間でくつろぎながら

星野さんの写真集をひらくと、

遠いアラスカの森や平原で、

私には一生出会うことのないだろう

野生動物達の悠久の息吹きを感じ、

束の間の旅に誘われる。

 

星野さんの写真と言葉に初めて出会った時に、

一瞬でここからあそこへともっていかれてしまった『もうひとつの時間』の心地よさが忘れられず、

真冬にはかならずと言ってよいほど一度は開いてしまう彼の写真と言葉。