Chizu Solo Theater Official Blog

ずっとお城で暮らしてる

Chizu Solo Theater 作品

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2016.12.26(mon)

楽道庵年末Spcial 参加作品

アンナ・カリーナは                                         

                      電気羊の夢をみるか?』

構成・振り付け    蜘津

 

  神田にある、アートスペース楽道庵に初めて行ったのは、

舞踏の我が師匠、長岡ゆりと正朔の主催するDance Medium舞踏WSの発表会を観に行った時だった。

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  神田のオフィスビル街の一画に、

見落としてしまうような小さなドア。

   そっと開けると、

木の階段が二階へと続き、

上がると古民家風の空間が広がっている。

 

ここでなら、私はSF作品を作ってみたいな、、、と浮かんだ。

 

 それから時は流れて3年が経ち、

なんとそのことが実現してしまった。 

 

 この3年のあいだに、

夜、布団に潜り込んだあとに楽道庵の空間に物語を描く妄想をしながら眠りについたことも何回かあった。

 

楽道庵の空間が、SFを妄想させると啓示を受けて、

映画『ブレード・ランナー』がまず思い浮かんだ。

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ブレードランナー」は言わずもがな、今や誰もが観たことのあるSF映画の金字塔。

youtubeで検索するとオープニング場面やら沢山出て来て引き込まれ、

これを作品のベースにしようと決めた。

 

ハリソン・ホードからダリル・ハンナになって、ルドガーハウワーで終わる、、と言うのを妄想。  私はヒロインのショーンヤングより、ダリルハンナが好きだった。

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続いて、懐かしい『月曜ロードショウ・荻昌弘』のブレードランナー解説もyoutubeで見つかり、淀川長治も好きだったけれど、

荻昌弘のほうが、より懐かしさを感じさせられた。

彼の小気味よく、映画を熱く語っても

どこか上品な語り、これを音声だけ使用することにした。

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ブレードランナーの映像場面をyoutubeで色々観て、美しい音楽が使用されているのに気がつかされ、映像場面をそのまま音源にすることにした。

 

でも、ひとつのものに固執していくと、すぐに飽きもやって来たりするもので、

ほかのSF映画も観たくなった。

『創作は遊び!』と言うこころの声を受けて尻軽女に変身し、自分の好きなモノ引き出しを開けたら、

そこにはゴダールちゃんのSF映画『アルファビル』がちょこんと微笑んで座っていた。

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女優で誰が好き?と聞かれたら、「アンナ・カリーナ」と答える。

ゴダールお気に入りになるのが頷ける。

憧れのアンナ。

どこが?どうして?とか、説明するまでもなく彼女を一目見れば。

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ゴダールの「アルファビル」はパリの街を架空の街、アルファビル、に置き換えて、特撮など行なわずに撮影された。

 

感情や思想の自由など個人主義的な思想が排除された都市・アルファヴィル

 

この映画の中でアンナは主人公のレミーコーションの接待係とレミーが連れ出そうとしているブラウン教授の娘と言う役。

アンナの動作で変なのは Oui(はい)で首を横に振り、Non (いいえ)で首を縦に振る。

これも作品の中に入れてみた。

そして、

アンナとレミーコーションの愛の場面の音声だけ使用。

 

衣装はアルファビルの中でアンナが着ている、襟と袖のレースが美しい黒いワンピースを真似た。

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ある日、

アンナの歌うセルジュ・ゲーンズブールの『溺れる人』ル・ノワイエが、まるで神様がくれた贈り物のように見つかり、

私が考えた『私にしかわからない物語』=『アンナ・カリーナは電気羊の夢を見るか?』は完成した。

 
『La noyée   溺れる人』

 

Tu t'en vas à la dérive
Sur la rivière du souvenir
Et moi, courant sur la rive,
Je te crie de revenir
Mais, lentement, tu t'éloignes
Et dans ma course éperdue, 注1
Peu à peu, je te regagne 注2
Un peu de terrain perdu.

  君は漂って行く
  記憶の川の水面を
  そして僕は、土手を走りながら、
  帰ってくるようにと君に叫ぶ、
  でも、ゆっくりと、君は遠ざかり
  無我夢中で僕は走り、
  すこしずつ、君からの
  遅れを取り戻す
De temps en temps, tu t'enfonces
Dans le liquide mouvant
Ou bien, frôlant quelques ronces,
Tu hésites et tu m'attends
En te cachant la figure
Dans ta robe retroussée,
De peur que ne te défigurent 注3
Et la honte et les regrets.

  ときどき、君は沈む
  流動する液体のなかに
  あるいは、

       いばらを危うく免れつつ
  君はためらい僕を待つ
  まくれ上がったドレスで
  顔を隠しながら、
  恥じらいと後悔が
  自分を醜くしやしないかと恐れて。
Tu n'es plus qu'une pauvre épave,
Chienne crevée au fil de l'eau
Mais je reste ton esclave
Et plonge dans le ruisseau
Quand le souvenir s'arrête
Et l'océan de l'oubli,
Brisant nos coeurs et nos têtes,
A jamais, nous réunit. 注4

  君はもう哀れな漂流物に、
  水に流される

       くたばった犬にすぎない
  だけど僕は君の奴隷のままだから
  流れのなかに飛び込む
  記憶が停止したとき
  忘却の海が、
  僕たちの心や頭脳を壊しながら、
  永遠に、僕たちを一つにする。